ホットミルクを飲むと良く眠れるはどこまで本当なのか、問題


ベッドに入るもののなかなか寝付けなくて困っているという人は多いと思います。
そんな中「温かい牛乳を飲むと良く眠れる」ということを聞いたことはないでしょうか?

牛乳によく眠れるようになる成分が入っているのか?はたまた温かい飲み物自体によく眠れる作用があるのか?よく分からないところがあるので、少し調べてみました。

牛乳で睡眠の質が上がるのか、問題

2005年にフィンランドのクオピオ大学で行われた実験(1)では、70人の参加者に8週間寝る前に500mlの牛乳を飲んでもらって、睡眠の質を調べたというものがあります。

寝る前に毎日小さい牛乳パック1本分を飲むことになりますから、なかなかツラいもんでありますな。

その結果、
  • 牛乳を飲んでも別に睡眠の質は向上しなかった
という感じになりました。努力の末結果が得られなかったとは中々むなしいですねえ。

とはいえ、乳製品で睡眠の質が向上したという研究(2,3,4)はいくつかあり、経験的にも牛乳でよく眠れたという人が一定数いる以上これが全くの嘘だと断言するには早いかもしれません。

そもそもどうして牛乳で睡眠の質が向上すると言わられているのかというと、牛乳に多く含まれている「トリプトファン」と「メラトニン」が睡眠の質を向上させることが分かっているためなんですね。

トリプトファンなんかはセロトニンの分泌にも関わっていて、酒を飲み過ぎたら減っちゃうことも分かっています。二日酔いのときに睡眠の質が悪くなることを考えると納得ですな。また、セロトニンは幸せホルモンのひとつですから、気分を高めて、体をリラックスさせてくれます。

メラトニンも睡眠ホルモンと呼ばれているほど、体内時計を整えて眠りに落ちやすくしてくれているわけです。

ところが、ひとつひとつの牛乳に含まれているトリプトファンとメラトニンの量はけっこうバラバラらしいんですね。例えば、夜中に搾乳された牛乳にはこの成分が多く含まれているんですが、日中に搾乳されたものには少なかったりなどするわけです。

実際、夜中に搾乳された牛乳を同じように500ml毎日飲んでもらった場合、睡眠の質は向上したらしいです。

牛乳を買うときに、これは夜中に搾乳されたものなのか?昼間に搾乳されたものなのか?を見分けて買うのは不可能なので、イチかバチかトリプトファンやメラトニンの多い牛乳を選べた場合のみ、よく眠れるようになるというわけなのですねえ。

そう考えると睡眠の質を向上させるために牛乳を選ぶのは非効率なので、自分だったら他のトリプトファンやメラトニンが多く含まれている食材(キウイとかサクランボとか)で代用するか、サプリとかで補っちゃいますかね。
まあそれほど自分は睡眠で悩んでないので、今のところは大丈夫なんですが、今後のためにメモっときます。

温かい飲み物でよく眠れるのか、問題

寝る前に温かい牛乳を飲むべきか、冷たい牛乳を飲むべきかという研究は残念ながらないのですが、一般的に温かい飲み物は冷たい飲み物よりも鎮静作用があるので、眠りに落ちやすくなるんじゃないかなー、とは思います。

ただし、温度によってリラックスするかどうかは個人差のある問題(5)なので、結局は自分自身で試してみるのが一番手っ取り早いという結論になってしまいますな。

しかしそれよりも大事なことは、いつもと同じ入眠パターンを持っておくことが重要らしいです(6)。寝る前にいつも決まった行動をする人は、冷たい飲み物を飲むか、温かい飲み物を飲むか、または何も飲まないかに関係なく睡眠の質が向上するらしいですからね。その辺は好みの問題ですかね。

どうぞよしなに。

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