牡蠣とシャンパンのマリアージュが科学的にも最高らしい


「牡蠣に合う白ワインなんてない!」って感じのことが、某料理漫画の美味●んぼで主張されて久しいですが、近頃「牡蠣とシャンパンはメッチャ合うぞ!」って研究(1)がコペンハーゲン大学から発表されておりましたので、ここでご紹介しておこうかなと思います。


シャンパンが牡蠣の旨みを長引かせる

牡蠣とシャンパンの相性が抜群な理由のひとつとして、旨味の相乗効果が発動するためと言われています。

旨味の相乗効果とは、私たちが口に含んだものに複数の旨味成分が存在していた場合、実際に感じる旨味の強さが数倍にもふくれあがる現象のことです。

代表的なものでいうと、カツオ昆布出汁が有名なところです。

カツオ昆布出汁の場合、カツオに含まれるイノシン酸という動物系の旨味成分と、昆布に含まれるグルタミン酸という植物系の旨味成分が掛け合わされることによって、旨味がより強く感じられます。

このときに感じられる旨味の強さは、

  • イノシン酸:グルタミン酸=1:1のときに最も強くなり、
  • カツオ出汁のみで味わう場合と昆布出汁のみで味わう場合で比べて、最大で8倍も強くなる

と言われております。

そして、この現象が牡蠣とシャンパンでも同じように起こります。

言わずもがな、牡蠣はカツオと同じく動物系の食材であり、イノシン酸を豊富に含んでおります。そしてシャンパンも、原料はブドウから作られるため、グルタミン酸などの植物系の旨味成分が含まれております。

ただし、牡蠣とシャンパンのように2つの食材を組み合わせてうま味の相乗効果を狙う場合と、カツオ昆布出汁のように1つの食材だけでうま味の相乗効果が得られる場合では少し勝手が違ってきます。

どういうことかというと、牡蠣とシャンパンで食事を楽しんでいることを想像してみてほしいんですが、だいたいの人は牡蠣を口にして飲み込んでからシャンパンを口にするか、シャンパンが喉元を過ぎてはじめて牡蠣を口に入れますよね。

つまり、牡蠣とシャンパンが同時に口の中に存在することはめったになく、牡蠣をしっかり飲み込んだあと、うま味成分も唾液に少量しか残っていないところにシャンパンが流れ込んでくるわけです。

なので、うま味の強すぎる飲み物を牡蠣と一緒に組み合わせた場合、口内でのイノシン酸:グルタミン酸が1:1にならず、飲み物を口にした瞬間、飲み物に含まれるうま味成分が勝ってしまい、牡蠣のうま味は消え失せます。

しかし、これがうま味がそこまで多くない飲み物だった場合、牡蠣を飲み込んで少量しかうま味成分が口内にないところに少量の異なるうま味成分が流れ込んでくるので、イノシン酸:グルタミン酸が1:1に近くなり、結果うま味が持続するわけです。

実際研究では17種類のシャンパンのうま味成分を分析していますが、シャンパンに含まれるグルタミン酸の量は100ml中0.2~7.5mgと、シャンパン単体ではうま味成分を感じ取ることすら叶わないぐらい少なかったようです(うま味を感じ取るのに必要な最低量は30mg/100ml)。

ちなみに他の酒のグルタミン酸量はどれぐらいかというと、日本酒で約33mg/100ml、ビールで約5mg/100mlらしいです(2)。

そして研究者曰く、

牡蠣を咀嚼して飲み込んだ後、シャンパン(約20ml)を一口飲み込んだ状況を想像したとき、うま味の相乗効果によってシャンパンに含まれるグルタミン酸は0.2mg/100mlあれば十分うま味を感じ取れる。

そうな。

いやはや、なんでもかんでもうま味の強いもの同士を合わせればよいというわけでもないということらしいですな。

しかし、咀嚼して飲み込む前に飲み物で流し込むスタイルだったら、日本酒のようにうま味の強い飲み物のほうがイノシン酸:グルタミン酸が1:1に近くなるので、良いのかもしれませんな。


まとめると、

  • うま味の強い食材と合わせる飲み物は、うま味が弱いものにすると食材のうま味がより強調される
  • 飲み物で食材を流し込む食事スタイルを取るとしたら、「うま味の強い食材×うま味の強い飲み物」or「うま味の弱い食材×うま味の弱い飲み物」でもありかも

といったところでしょうか。

どうぞよしなに。

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