おいしい炒め物を作るための最適な油の量
先日、野菜炒めを作っているときにふと思ったのですが、
「炒め物するときの油の量ってちゃんと計ったことないなあ」
と。
醤油や酒、みりん、味噌など、他の調味料だとやれ何gだ何ccだと計るくせに、それが炒め油になった途端に感覚で入れちゃいがちなんですよねえ。巷のレシピでよく見かける、適量ってやつで作っちゃうわけですな。
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毎度毎度レシピサイトとかで、「この料理は醤油を大さじ一杯入れて…」とか検索しながら料理するのも面倒くさいですよね。 そこで、「なぜこの料理ではこの調味料の割合なのか?」ということを解説いたします。
しかし、油の量が変わるだけで油っこくもなるし、フライパンに材料がくっついて焦げ付いたりもするわけなので、ちゃんとした最適な油の量というのは存在するんですよね。
もしかしたら皆さんも、今まで炒め物を作ってきた中で、本当にその油の量が正しいのか疑問に思ったこともあるんじゃないですか?
ということで今回は、「炒め物をするときの最適な油の量ってどれぐらいなの?」ということを考えていきたいと思います。
食材別の最適な油の量
炒め物をした際の油というのは、その大部分が食材に吸収されます。そして、食材によって油を吸いやすい食材と吸いにくい食材があるので、何を炒めるのかによって油の使用量も変わってくるわけです。
そこである研究(1)では、6種類の野菜を使って炒め物を作り、それぞれどれぐらいの油の量で炒めるとよりおいしく感じるのかを検証してくれております。
具体的には、55名の参加者に対して、
- たまねぎ:2mmの薄切り
- じゃがいも:4mmのいちょう切り(ボイル済み)
- キャベツ:1×3cmの短冊切り
- 人参:6mm×2mm×3cmの短冊切り(ボイル済み)
- ほうれん草:3cmのざく切り(ボイル済み)
- ピーマン:3mmの縦千切り
を使い、それぞれ野菜に対して6~14%の重量のサラダ油で野菜炒めを作ったときのおいしさを評価してもらうといった感じです。
調理条件としては、
- 直径24cmの鉄フライパンを使用
- 一度に炒める野菜の分量は、生の状態で120g分
- 200~210℃で2~3分炒める
といったもの。鍋のサイズが大きくなるにしたがって、鍋に付着する油の量も増え、必要な油の量も変わるので難しいところではありますが、だいたい鍋の容量に対して半分ぐらいの野菜を入れた感じをイメージしてもらえるとよろしいかと。
また、試食をする参加者も2つのグループに分けられており、
- 油物が好きなグループ(35名)
- 油物があまり好きじゃないグループ(20名)
のそれぞれの評価を分析してくれております。
で、ざっくりどんな結果になったかと言いますと、
- たまねぎとキャベツは、6~12%
- じゃがいもは、8~14%
- 人参とほうれん草は、6~10%
- ピーマンは、8~12%
の油の量で炒めるとおいしいと評価されやすかったそうです。そして、油物が好きかどうかの差で好みの油量が4~6%違いが見受けられました。
とはいえ、どの野菜を炒める場合でも、8~10%の油を使えばマズいと評価する人よりも普通~ウマいと評価する人の割合が多かったので、野菜炒めを作る場合は野菜に対して1割弱ぐらいの量の油を使うと間違いないかと。
例えば、市販の野菜炒め用のカット野菜1袋を炒める場合の油の量を考えると、だいたい200g前後が野菜の総量なので、サラダ油やラードなど100%脂肪から成るものを炒め油として使うなら20~25cc(大さじ1+1/3~大さじ1+2/3)。バターやマーガリンなどの脂肪の割合が8割ほどのもののみを使うのなら、25~30cc(大さじ1+2/3~大さじ3)ぐらいを炒め油として使うのが最適なのではないかと思われます。
どうぞよしなに。
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