わざわざお湯を沸かさずに、油揚げの油抜きを超簡単にする方法


ちょっと料理ができる人なら、「油揚げは沸騰したお湯で茹でる、もしくはかけるかして油抜きをしてから使ったほうがおいしく仕上がる」
ということを一度は聞いたことがあるかもしれません。

しかし「油抜きって、実際やる意味あるの?」と思ったことのある人も結構多いはず。

油抜きの方法として一般的なのは、お湯を沸かして油揚げを茹でるか、もしくは沸かしたお湯を油揚げに直接かけるかなどで、それだけのためにお湯を沸かすのってなかなか面倒くさいですよね。

油抜きしなくても別に食べられないほどの料理になることはないし、油揚げを湯に通すだけのためにお湯を沸かすのも面倒くさくて、結局油抜きせずに調理をしてしまう人も多いんじゃないでしょうか?

ある調査によると、約57%の主婦は油抜きをせずに油揚げを使っているそうです。
逆に言うと4割近くの人は油抜きをちゃんとしているというんだから、個人的にはわりとみんなちゃんとやっているんだな~、といった印象。
とは言え、6割ぐらいの人が油揚げごときのためにお湯を沸かすなんてありえない!と考える自分のような面倒くさがりのようでございます。

でも実際、油抜きをしないで調理した場合、油が邪魔をして調味料の味が油揚げに染み込みずらくなったりだとか、油揚げに含まれる余分な油が調理中に料理に溶けだして料理の味を悪くさせたりすることも事実。

ということで今回は、わざわざ油抜きのためだけにお湯を沸かさなくても、もっと簡単に油揚げを処理できる方法はないのか?ということを検証いたします。

水道のぬるま湯で油抜きは十分!?

結論から先に申しますと、しっかりと油抜きをしたいのなら熱湯を使って油揚げを茹でるのが一番良いのですが、水道のぬるま湯を使ってでも十分に油抜きはできます。

エフシージー総合研究所が、3種類の方法で油揚げの油抜きしてそれぞれどれぐらい油が抜けたのかということを実験してくれており(1)、それがなかなか参考になりました。

実験では、1枚20gの油揚げを使用し、
  1. 熱湯(100℃)で3分箸で押さえながら茹でたもの
  2. ザルに広げて表裏500ccの熱湯(100℃)をかけたもの
  3. キッチンペーパーで包んで軽く握り油を吸わせたもの
の3種類を用意しました。

熱湯で茹でる、熱湯をかける、キッチンペーパーに吸わせる、の3通りの方法で油抜きをしたわけです。

結果、油が抜けた量は
  • 茹でたもの→2.1g(重量の10.5%)
  • 熱湯をかけたもの→0.9g(重量の4.5%)
  • ペーパーに吸わせたもの→0.5g(重量の2.5%)
となりました。

さらに、この実験では検証されていなかったのですが、この選択肢に個人的に自分で、
  • 水道のぬるま湯(40.7℃)で15秒間揉み洗いする
という実験を加えて検証してみました。

油が抜けた量の計算については、ぬるま湯で洗った後できる限り水分を絞り、元の重量と絞った後の重量を比べて、その重量差が抜けた油の量だと考えました。

結果、元の油揚げの重量が20gだったのですが、


水分を絞った後は19.1gになっており、0.9g(重量の4.5%)の油分が抜けました。


つまり、ぬるま湯で何度か洗った油揚げは熱湯をかけて油抜きをした油揚げと全く同じだけ油が抜けたことになります。

熱湯をかける一般的な手法と同じだけ油分が抜けたわけですな。

油抜きで大幅カロリーカットしてダイエット!

油揚げ1枚はだいたい77kcalぐらいで、そのうちの59kcalぐらいは脂質になります。グラムにすると6.6gほどの脂質が含まれております。
もともとの原材料は豆腐でヘルシーなものなのですが、油で揚げて作るがために高カロリーな食品になちゃっているわけです。

仮に時短で、水道のぬるま湯で油抜きをした場合1枚あたり0.9gの油分をカットできるので、それだけでカロリーが約13%もカットできるわけですな。

もちろんさらにカロリーカットしたい場合は、多少面倒でも熱湯で3分茹でた場合1枚で2.1gの油分カットなので、カロリー約31%カットも可能でございます。

油抜きはしすぎるとおいしくない

ちなみにですが、油抜きをすることによっておいしくなったりダイエットになったりと良いことだらけのように感じるかもしれませぬが、やり過ぎはやはりよくない感じ。

名古屋女子大学の研究(2)によると、熱湯に軽く浸したものと5分ほど長時間茹でた油揚げをいなりずしにして被験者に食べてもらったところ、
軽く浸したもののほうが5分茹でたものよりも優れていたそうな。

詳しい理由については言及されていないのですが、おそらく長時間煮出したことにより、油揚げのうま味がなくなってしまったのかと。

もともと油揚げにはグルタミン酸が豊富で、実は昆布の約2.1倍ほどのグルタミン酸が含まれていますからね。
余りに茹ですぎるのもやはり控えたほうがよろしいようで、熱湯で茹でるにしても、せいぜい2~3分が限度だと思われます。

まとめ

油揚げを油抜きしたほうが良いというのは分かってはいたけど、わざわざお湯を沸かしてまでするのは面倒くさいという方。
水道のぬるま湯でやるだけでも全くやらないよりは十分効果があるので、是非やってみてはいかがでしょうか。

どうぞよしなに。

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