空腹時には理性が吹き飛んで何も我慢できなくなるぞ!というお話
お腹が減っているときにスーパーとかに買い物に行くと、そんなに食べたいものじゃないはずなのについつい多く買いすぎてしまうという経験はあると思います。お腹が減っているんだからあれもこれも食べたくなっちゃって、全部食べれるだろうと思って買うんですけど、結局買い過ぎちゃうみたいな。
これは空腹だから食欲に歯止めが利かなくなっちゃうんだろうなー、と思っていたんですが、どうやらお腹が減っていると食べ物だけじゃなくてその他のものに関しても欲求が我慢できなくなるようです。
空腹によって合理的思考がだだ下がり
これはイギリスのダンディー大学が2019年に行った実験(1)なのですが、「空腹時と満腹時で合理的思考に違いが出るのか?」ってことを調べてくれたものになります。
実験の方法は、参加者50人を集めまして、
- 空腹な状態(食後10時間)
- 満腹な状態(食後2時間)
の場合に分けて次のような質問をしました。
- チョコレートバーを今なら5本、あとでなら10本あげるけど、どれぐらい待てる?
- 今なら10ドル、あとでなら20ドルあげるけど、どれぐらい待てる?
- 無料で音楽を今すぐ10曲ダウンロードできるけど、あとでなら20曲ダウンロードできます。どれぐらいなら待てる?
つまり、合理的であればあるほどすぐに目の前の欲求に飛びつくのではなく、欲求に対して待つことのできる日数が長くなるだろうと考えて質問したわけです。
その結果、
- 空腹時には目の前の欲求にすぐ飛びついた
ということが分かりました。
それぞれどれぐらいの違いがあったかというと、
- チョコレートバーだと満腹時で35日、空腹時で3日
- お金だと満腹時で90日、空腹時で40日
- 音楽だと満腹時で40日、空腹時で12日
我慢して待つことができると答えました。
お腹が減っているときにチョコレートバーに飛びつくのは当たり前の話ですけど、お金や音楽などに対しても欲求を抑えきれなくなってしまうとは意外ですねえ。
そう考えると、出先でいらない食べ物を買ってしまうのはもちろんですが、モノに関しても知らず知らずのうちに必要のないものを買ってしまってるときってのは、お腹が空いてる時なのかもしれませんね。ネットショッピングでついついポチっと押してしまうときとか。もう理性がぶっ飛んで本当に要るか要らないかも判断できなくなってしまってるわけです。
また時間に関しても同じことが言えそうです。理性がなくなってしまっているので、本当は今やらなくちゃいけないことがあるのに、目の前の遊びたい・のんびりしたいとかの欲求に負けて先延ばしにしてしまうのも、空腹がもしかしたら原因かもしれませんな。
が、「空腹が思考力によくない!」っていうのはいささか違って、「空腹でも注意力や記憶力には何の影響も出ないよ」というのは研究で分かっております。
むしろ柔軟性とか創造力に関わる能力はアップしますからね。
ですから買い物とか、あとは会議だとかで論理的思考を持って挑まないと自分が損をするようなときには空腹を避け、ひとりで仕事したりとかアイデアや思い付きが欲しいときには敢えて空腹な状態でいることも良いかもしれません。
どうぞよしなに。
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