まだ茹でないで!簡単に歯切れとコシのある麺を茹で上げる方法
うどん・そうめん・ラーメン・パスタなどを茹でるとき、コシのある麺を仕上げる簡単な方法をご存じですか?
柔らかい麺もいいですが、噛むとプツンと切れる歯切れのよい麺もまた格別ですよね。
ふにゃっとコシのない麺が好きという方は構いませんが、そうでない場合はこれからご紹介するものを茹でるときに加えるだけでコシのある麺にすることができます。
茹で汁を酸性にする
麺を茹でるときに酢や梅干しなどを加えて、茹で汁を酸性の状態にしてあげると麺のコシが強くなります。
そうめんを梅干しと一緒に茹でるレシピなんかは割と有名なんですけど、それは梅干しに含まれるクエン酸がゆで汁を酸性にしてくれるおかげで、麺にコシが生まれるからなんです。
ですので、梅干しじゃなくても酢やレモン果汁などでも代用できます。
どうして酸で麺のコシが強くなるのか?
そもそも麺のコシとは、適度な「弾力」と「粘り」によって生み出されます。
これは小麦粉に含まれるたんぱく質によるものです。
具体的には、
- 弾力があって反発する性質を持つ「グルテニン」
- 粘り気があって切れにくい「グリアジン」
の2つのたんぱく質が絡み合って「グルテン」という新たなたんぱく質ができます。そして熱によってこのたんぱく質が凝固するために、弾力と粘り気のある麺ができるのです。
しかし品質や種類の問題とかで茹でようとしている麺が、そもそもグルテン量が少ない麺だった場合、弾力も粘り気も出ずコシの弱い麺になってしまいますね。
そこで、
- タンパク質は酸によって凝固する
という性質(1)を使います。
例えば、卵を茹でるときに酢を入れると殻が割れても白身が飛び出さなくなるような効果ですね。
同じように、酢や梅干しなどを加えた酸性の湯で麺を茹でると、麺に含まれるグルテンが強化されて弾力と粘り気がアップするのでコシが強くなるというわけです。
タンパク質の網目構造が強化されるおかげで、麺の主成分であるデンプンが湯に溶けだす量も減ります。それによりコシの強さが維持されるわけです。
あんかけで片栗粉(デンプン)が多く入ったもののほうが、トロミが付いて固いのと同じですね。
デンプンの流出減
また、小麦粉は約10%がタンパク質で残りの約90%が炭水化物でできていますが、タンパク質の網目構造が強化されるおかげで、麺の主成分であるデンプンが湯に溶けだす量も減ります。それによりコシの強さが維持されるわけです。
あんかけで片栗粉(デンプン)が多く入ったもののほうが、トロミが付いて固いのと同じですね。
酸とデンプン
ついでに、タンパク質ほど凝固しやすいわけではありませんが、デンプンも酸性によって弾力が増すことが分かっています(2)。
これはデンプンはアミロースとアミロペクチンという長い鎖状の分子で構成されていますが、
- 酸によって壊されて短くなる
- 短くなって数が増えたものがさらに絡まる
といった感じで、デンプンも酢などの酸性のものと反応して弾力を増すようです。
炊いた米を潰すと糊のようになって粘るのと一緒ですな。
まとめ
うどん、そうめん、ラーメン、パスタなど小麦粉で作られた麺を茹でるときに、酢や梅干しレモン汁などの酸性のものを加えて茹でるとコシが強くなります。
というのも酸によって、
- 小麦粉のたんぱく質&デンプン質が凝固する
- タンパク質の凝固によりデンプンの流出が減る
ので、麺に弾力と粘りが出てコシが強くなるのですな。
是非お試しあれ。
どうぞよしなに。
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