カレーにバターやギーなどの油を入れるベストなタイミング


インドカレーでおなじみのバターやギー。独特の風味がカレーをマイルドにしてくれておいしいですよね。

ギーっていうのはバターから水分や乳性タンパク質を取り除いた純粋な油のことですね。

そんなバターやギーですが、ひょっとして何も考えずに野菜や肉を炒めるのに使っちゃっていませんか?

実はそれちょっともったいないことをしているかもしれません。それどころか健康にもあまりよくなかったりします。

バターやギーを入れるベストなタイミング

カレーを作るときにバターやギーを使うのでしたら、具材を炒めるときには使わず、すべて最後の仕上げで入れることをおすすめします。

というのも、炒めるときに高温で加熱してしまうと、
  1. 独特の風味が飛ぶ
  2. 油が酸化する
といった感じで、料理にプラスに働くどころかマイナスに働いてしまうのです。

風味が飛ぶ

まずバターの風味は主に、ジアセチルやラクトンなどの揮発性脂肪酸によるものです。そして微量の芳香成分によってあの独特な香りと風味が生み出されます。

つまり加熱によって風味が飛びやすく、せいぜい40℃前後で加熱しなければ風味は飛んでしまいます。散々加熱した後に残っている香り成分は揮発性ではないごく微量のものだけなので、風味づけを目的に入れるのであれば炒めるときに入れる理由は全くないと言っても良いです。

カレーが完成した後、余熱でゆっくり溶かしてあげると、少ない量でもしっかりと風味を感じ取ることができます。

油が酸化する

次にバターは非常に熱に弱く酸化のしやすい油です。

というのも、バターなどの動物性の脂にはコレステロールが多く含まれております。

酸化コレステロールの問題については、2002年の論文(1)でけっこう詳しくまとめられていますが、酸化が始まる温度が結構低くて、だいたい120℃前後で酸化が始まっちゃうんです

ちょっと炒め物なんかをしたらすぐに達してしまう温度ですねえ。

こういった酸化しているコレステロールを摂取し続けていると、
  • 血管にこびり付いて動脈硬化などの血管のリスクに
  • 腸に細かい穴が開きまくる
  • 糖尿病のリスクが激増
  • アルツハイマーになる確率アップ
などなど恐ろしい限りでございます。

ちなみにですが、1993年にオックスフォード大学が調査した研究(2)によると、すでに店頭で売られている時点でバターは12.3%ほども酸化されているらしいです。

では、炒めるときにどんな油を使えばいいのか?

バターやギーが高温で酸化されてしまう理由は、コレステロールが多いという問題もありますが、もうひとつ発煙点が高いというのがあります。

これは油を熱したときに煙が出始める温度のことです。つまりこの温度が高いほど、熱に強く酸化されにくいというわけです。

例えば、ピーナッツオイルやごま油、精製されたココナッツオイルでしたら発煙点が230℃と高く酸化されにくいです。
しかしこの辺は独特の風味があるので、最後に入れるバターの香りを邪魔しかねません。

パーム油も240℃と高いのですが、こちらは心疾患など健康の問題がぬぐえない種類の油なのでまた避けたいところ。

ちなみにキャノーラ油は200℃とそこまで発煙点は高くありません。

そこでおすすめなのは、太白ごま油です。ごま油の一種には違いありませんが、生のまま圧搾されて作られた油なので色は透明で独特の風味も一切ありません。発煙点も230℃と高めなので、酸化されにくい油となっております。
あとは未精製のバターかギーですかね。

バターやギーは酸化しやすいと書いたんですが、それは精製されたものの話です。市販のバターは基本精製されたものが多く、その分煙点は約150℃です。

しかし未精製のものは250℃とめちゃくちゃ温度が高いのでこれでなら炒め物をしても酸化はしにくいでしょう。ただ香りは飛んでしまいますし、結構お値段高めなのでこっちで炒め物するぐらいなら太白ごま油を自分は使いますかな。

一応リンクは貼っておきますので、興味のある方はお買い求めください↓。

まとめ

カレーにバターやギーを使うときは、
  • 炒めるときに入れると、酸化するわ、風味が飛ぶわで良いことなし
  • なので、仕上げに入れて余熱で溶かす
  • 野菜や肉を炒めるときに使う油は、太白胡麻油、または未精製のバターやギーがおすすめ
どうぞよしなに。

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